
ネットは不健全?
出会い系業界も、昔と比べればクリーンになってきて、そのイメージ改善のおかげあってか、こんにちではどこへ行っても大体、会員数の男女比は均衡しています。
しかし、インターネットを介した出会いというものに、よくないイメージ、偏見を持っている人というのはまだ多く、カップルによっては、出会い系サイトで知り合ったという馴れ初めを、周りに隠すということもあるようです。
私はそこに疑問を呈したい。
どうしてインターネットの出会いが、不健全なものであるとみなされなければならないのか?
本記事では出会い系業界の変遷と、それに伴う男女比の変化を追うと共に、インターネットを使った出会いというものの考察を試みます。
昔はたしかに不健全だった
ひと昔前までは、出会い系サイトというのは本当に、肉体関係ありきの出会いを提供する場所でした。
それまでテレクラを使っていた人たちが、より低価格で、手軽に利用できる出会い系サイトに移った、というイメージです。
その頃の出会い系サイトというのは、テレクラなどと同じく、多数の「飢えた」男性を、少数の女性が相手する、というものでした。
はっきり言ってしまえば、ヤリチンビッチの集合場所だったわけです。
それは単なる性交渉を目的とする出会いにとどまらず、やはり、お金の絡む出会いも多くありました。
デートしてあげるかわりにお金ちょうだい、というような珍しいケースもあったようですが、大体は、セックスの対価として男性がお金を支払う、いわゆる援助交際が横行していました。
タダでセックスしてくれるような女性が現れるのはごく稀で、そこで生まれる出会いのほとんどは援助交際でした。
売買春の巣窟、すなわち、犯罪の横行する無法地帯、性の乱れた不健全な世界であったわけです。
過去は過去でも・・・
当然のことながら、当時の出会い系サイトを介して知り合った男女というのは、今現在どんなに愛し合っていても、性交渉からスタートしたわけで、というか、サイトを使っていた時点では「特別嫌な人じゃなければ、誰でもいい、セックスしたい」あるいは、「セックスしてお小遣い稼ぎたい」と思っていたわけで、すこしずつ仲良くなっていき、お互いのことを知っていってようやく交際がスタートする普通の恋愛と比べれば、これはちょっと不健全といわざるをえませんし、その人ら自身、白い目で見られたって仕方がありません。
過去は過去でも、過去も現在もひっくるめて「その人物」であるわけですから、一度でもそういう、体だけの関係を欲したことのある男女が、あいつらは体だけだからすぐに破局するよとか、どうせどっちかが浮気して終わるよとかいう、偏見に晒されてしまうのは至極当然のことです。
過去にAV女優をやっていた女性と結婚して、その子供に、「うちのお母さんはね、昔AVに出ていたんだよ」と言えるでしょうか?親戚や、子供の友達、その親にも?
言えませんよね、そんなこと。
いくら現在が非常に気立ての良い素晴らしい妻だったとしても、人前で裸を晒していろんな男に喘がされていたという過去は決して消えません。
これが、過去も現在もひっくるめて「その人物」ということです。
今は違う
たしかにその当時の出会い系サイトで見れば、そこで生まれる出会い、カップうというのは不健全なものかもしれません。
しかし、最近では出会い系サイトも、おおっぴらに援助交際の募集をかけることは禁止しているところがほとんどですし、真面目な出会い、恋人募集に力を入れているところもたくさんあります。
結婚活動用のサイトなんかもあるのです。
このように、ちょっとずつちょっとずつ、出会い系サイトは、体だけの関係を推奨するようなところから、本気で運命の出会いを求める人々を応援するようなところに変わってきているのです。
いえ、すでに変わったのです。
その証拠というべきものが、女性会員数の増加です。
女性というのは、貞操を守ってこそ男性を射止めることができる生き物です。
セックスをしようと思えば簡単なだけに、それをしていない女性というのが、なんだか芯が強いようで、魅力的に思えてしまうんですね。
では、出会い系サイトの女性会員数が増加したのは、セックスしたくてたまらないという、芯の弱い女性、自制のきかない女性が増えたからでしょうか?
いいえ、違います。
出会い系サイトが、恋愛を応援してくれるようになったからです。
具体的には、掲示板を、肉体関係ありきの出会いのものとは別に、恋人募集用のものも作るとか、結婚雑誌に広告を載せるとかですね。
こうして少しずつ、出会い系=セックスというイメージが払拭されてきたのです。
そのおかげで、今では出会い系サイトにたくさんの女性が登録し、たくさんの、肉体関係からスタートしない健全なカップルが成立しています。
結婚にまで至るカップルも、珍しくないですよ。
偏見を捨てよう
さて、時代が変わって、出会い系サイトも変わったというのに、未だ出会い系サイトに良くないイメージを持っている人というのは、これはもう、時代遅れ、時代錯誤、という他ありません。
ネットで会うなんて不健全だ、そんな考えはもう苔の生えた時代遅れの偏見としかいいようがないのですが、それを未だに自分の信念というか、常識のように考えている人は多いです。
このような方々に言いたいのは、ではリアルで成立するカップルと、ネットを介して成立するカップル、何が違うのか?ということです。
実際は、ネットかリアルかの違いしかなく、どっちが健全かなんて考えるのがそもそも偏見なのですが、そういう方たちにこの質問を投げかけてみると、「どうせセックスから始まったに決まってる」とか「そういう奴はネットで相手を探さなければならないほど周りに嫌われているんだ、自身に何か問題があるんだ」とか、もっとひどい意見が飛び出ます。
笑えます。
とんちんかんとしかいいようがありませんね。
そんな憶測で物事を決めつけ、自分の殻にこもっているから、過去に取り残されるのです。
昔は移動手段が馬車だったのが、今では車や電車、飛行機に変わったように、常識や物事の見方というのはたえず変化するもの。
それに適応し、受け入れていくような柔軟さがなければ、ただの頑固爺か偏屈婆です。
ほら、みなさんが小さな頃大嫌いだった、あれですよ。
べつに、出会い系を不健全とするのを、駄目だと言っているわけではありません。
しかし、それならば、憶測などではない確乎たる根拠をあげつらい、論理的にそのことを説明してほしいものです。
まぁ、もとが偏見だけで成り立っている理論ですから、そんなことは無理なんですけどね。
というわけで、出会い系サイトで相手を探すこと、見つけた相手と交際することは、なんら恥ずべきことではないのです。
あなたも出会い系サイトでいろんな異性と接し、運命の出会い、相手を、見つけましょう。